ゲームテスト(デバッグ)のリモートワーク(在宅勤務)事情とは

リモートワークする女性品質管理

コロナ禍の中で働き方にも変化があり、リモートワークを取り入れる企業が増えてきました。
ゲーム業界でも様々な企業や職種でリモートワークがおこなわれていますが、ゲームテストの現場ではどうなっているでしょうか?

この記事では、ゲームテストのリモートワーク事情をみていきたいと思います。

パブリッシャーはリモートワーク率が高い

いきなり結論になりますが、パブリッシャーとして自社プロダクトの開発・運営などをおこなっているスマホゲーム会社の品管はリモートワークの割合が高くなっています。
基本フルリモートとしている組織もあれば出社日を決めている組織もあり、出社に関しては組織によってまちまちになっています。

リモートワークでのコミュニケーションは、SlackやChatworkなどのツールを活用したテキストチャットがメインになり、必要に応じてZOOMなどのツールを活用してビデオ通話をおこないます。
チャット中心のコミュニケーションでは認識の齟齬が起きやすく、対面でのコミュニケーションよりも気を付けないとトラブルに繋がってしまいます。

出社勤務時は自席近くに関係者がおりちょっとしたことなども気軽に聞けた環境だったかと思いますが、そのちょっとしたことをわざわざチャットで話すことは無くなっていませんか?
実際、チャット中心になると会話が減ってしまうケースは多くなっています。チャットでは用件がないと会話しづらかったり、相手の姿が見えないため雑談を振っても大丈夫かわからず気を遣うためです。

ゲームテストの現場では、自社雇用のメンバー以外にも外部のテスト会社のメンバーも参加しているケースは多いですが、テスト会社のリモートワーク事情はどうなっているのでしょうか?

テスト会社のリモートワークは顧客次第

こちらも結論からになりますが、リモートワークかどうかは顧客次第になります。

顧客先に常駐する場合については、顧客が基本リモートワークだった場合はテスト会社のメンバーも基本リモートとなり、顧客が基本出社の場合はテスト会社のメンバーも基本出社になります。
案件をテスト会社内に持ち帰ってテスト会社内で対応する場合は、出社勤務での対応となることが多い印象です。

開発中のゲームは機密情報の塊で、デベロッパー、パブリッシャー、権利元など様々な組織とも関わります。万が一情報漏洩でも起きようものなら非常に大きな問題となってしまうため、テスト会社はリスクを避けて出社勤務の形を取っているものと考えられます。

テスト会社がリモートワークをリスクと考えるのにはいくつかの理由があります。

まず、テスト会社では非常に多くの社員が在籍しており、全社員に同じ要件でのリモートワーク環境を整備させるのは難しいことが考えられます。
また、中には家族と同居している社員もいるでしょうから、オンラインMTGなどの話声が家族に聞こえてしまい、その家族がSNSなどで情報を発信してしまう可能性もあります。

他には、社員の姿が物理的に見えないため勤務態度が掴めず、社員がサボっていてもなかなかわかりづらいこともあります。
『やることやっていれば良い』と考える人もいますが、テスト会社と顧客の契約内容によっては『稼働時間』が報酬の対価になっていることがあります。

この契約の場合、もしリモートワーク中にサボりが発覚しようものなら、契約不履行になりかねない重大な事案になる可能性があるのです。

コンシューマーゲームもリモートワークでテスト?

ここまではスマホゲームのテストの話で、スマホゲームの場合はスマホがあれば作業が出来るためリモートワークもしやすいですが、コンシューマーゲームではどうでしょうか?

コンシューマーゲームのテストでは、テスト用の特殊なコンシューマーゲーム機が必要になり、高価な機材になるため自宅持ち帰りは許可されないのではないかと思います。
そのため、コンシューマーゲームのテストはパブリッシャーでもテスト会社の持ち帰り案件でも、基本的には出社勤務になると考えられます。

まとめ

リスクの観点からどうしてもテスト会社はリモートワークに消極的になります。
一方でスマホゲームのパブリッシャーは、比較的リモートワークに前向きな企業が多いように感じます。テストが数十人規模となるタイトルでも基本リモートワークとしている組織の話を聞くことも多いです。

リモートワークで通勤時間が無くなるのはメリットではありますが、同時にセキュリティ面のリスクや自身の作業成果を示す必要性が高いことなどデメリットと捉えられる面もあります。
また、同僚や先輩からナレッジ・ノウハウの吸収がしづらい環境となるため、スキルアップもより意識して取り組まないといけません。

軽い気持ちで『リモートワークが良い』と言いリモートワークを長く続けた結果、全然スキルアップ出来ていないといったことにならないように注意が必要です。

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